【宮部みゆき】三島屋変調百物語シリーズの読む順番と新刊を紹介

とある事情から心を閉ざす娘・おちかが、さまざまな人びとから「百物語」を聞かされる物語。
今回はそんな、宮部みゆきさんの『三島屋変調百物語シリーズ』の読む順番と新刊をご紹介します。
まだ、読まれていない本があれば、これを機に読んでみてはいかがでしょうか。
三島屋変調百物語シリーズの新刊
ちなみに、宮部みゆきさんの単行本&文庫本の新刊情報は、下記の記事で紹介しているのでよかったらどうぞ。
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【宮部みゆき】三島屋変調百物語シリーズの読む順番
三島屋変調百物語シリーズは、心に傷をもつおちかが聞き手となり、三島屋を訪れる人たちが語る不思議な話に怖ろしさと、やさしさを味わえるシリーズです。
おすすめの読む順番
- おそろし 三島屋変調百物語事始(2008年)
- あんじゅう 三島屋変調百物語事続(2010年)
- 泣き童子 三島屋変調百物語参之続(2013年)
- 三鬼 三島屋変調百物語四之続(2016年)
- あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続(2018年)
- 黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続(2019年)
- 魂手形 三島屋変調百物語七之続(2021年)
- よって件のごとし 三島屋変調百物語八之続(2022年)
- 青瓜不動 三島屋変調百物語九之続(2023年)
- 猫の刻参り 三島屋変調百物語拾之続(2025年)
宮部みゆきさんの三島屋変調百物語シリーズを読む順番は、『おそろし 三島屋変調百物語事始』『あんじゅう 三島屋変調百物語事続』『泣き童子 三島屋変調百物語参之続』『三鬼 三島屋変調百物語四之続』『あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続』『黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続』『魂手形 三島屋変調百物語七之続』『よって件のごとし 三島屋変調百物語八之続』『青瓜不動 三島屋変調百物語九之続』『猫の刻参り 三島屋変調百物語拾之続』です。
【宮部みゆき】三島屋変調百物語シリーズのあらすじ
①『おそろし 三島屋変調百物語事始』(2008年)
あらすじ
17歳のおちかは、実家の旅籠で起きたある事件をきっかけに心を閉ざしてしまう。江戸で袋物屋「三島屋」を営む叔父夫婦のもとに身を寄せ、黙々と働く日々を送っていた。
ある日、叔父の計らいで客の話し相手を務めることになったおちかは、口にするのも憚られるような不思議な体験談を聞かされる。やがて三島屋には、誰にも打ち明けられない怪異を抱えた者たちが次々と訪れるようになり…。
おすすめポイント
一話完結の怪談でありながら、五つの物語が水面下で静かにつながり、最終話で一本の糸に撚り合わされていく。この構成の巧みさに、まず唸らされます。語り手が変わるたびに異なる恐怖が立ち上がるのに、読み終えてみれば全体がひとつの長編だったと気づく、その驚きは格別です。
怪異の正体をたどると、その奥には必ず人間の「業」が横たわっています。愛が執着に変わる瞬間、善意が誰かを追い詰める構図。恐ろしいのは幽霊でも妖でもなく、私たちの心に潜む感情そのものなのだと、物語は静かに突きつけてきます。
他人の恐怖に耳を傾けるうちに、聞き手であるおちかの凍りついた心が少しずつ溶けていく過程も、深く胸に残ります。「百物語」として語られる、不思議でいて切なくもある話が、心に染みわたる作品。
②『あんじゅう 三島屋変調百物語事続』(2010年)
あらすじ
江戸は神田の袋物屋・三島屋に、行儀見習いとして身を寄せる少女おちか。ある事件をきっかけに心を閉ざしていた彼女は、叔父の提案で「変わり百物語」の聞き集めを始める。
黒白の間を訪れる人々が明かすのは、誰にも言えなかった不思議な体験ばかり。水が逃げる少年、針に呪われた双子、闇に棲む獣、吼える仏。四つの奇譚が、おちかの凍った心を静かに溶かし始めて…。
おすすめポイント
怪談でありながら、どの話にも人の温もりがにじんでいるのが本作の不思議なところです。語り手たちが黒白の間で打ち明ける秘密は恐ろしくも切なく、怖さの奥に「誰かに聞いてほしかった」という祈りのような感情が透けて見えます。読んでいるこちらまで、おちかと一緒にその声を受け止めているような気持ちになるでしょう。
四編のなかでもとりわけ胸を打つのが、表題作の由来となった「暗獣」です。人を恋いながら人のそばでは生きられない存在・くろすけとの交流は、愛おしさと切なさが同時に押し寄せ、ページをめくる手が止まらなくなります。「必要とされないことがいちばん寂しい」。作中のこの一言が、物語全体を貫くテーマとして深く響きます。
シリーズ前作『おそろし』の重厚な恐怖とは対照的に、本作は柔らかな光が差し込むような読後感を残してくれます。怖い話が苦手な方にこそ手に取ってほしい一冊です。怪談の形を借りた「人の心の再生の物語」が、きっとあなたの胸にも静かに灯をともしてくれるはずです。
③『泣き童子 三島屋変調百物語参之続』(2013年)
あらすじ
江戸は神田、三島屋の奥座敷「黒白の間」。ある事件をきっかけに心を閉ざした娘・おちかは、訪れる客の不思議話をたった一人で聞き届ける「変わり百物語」の聞き手を務めている。
百物語が始まって一年、黒白の間に現れたのは死人のような顔色の男だった。男は虫の息で、ある泣きやまぬ幼子にまつわる話を語り始める…。恋慕、鎮魂、畏怖、六つの怪異譚が静かに幕を開ける。
おすすめポイント
江戸の闇を舞台にした六つの怪異譚は、一話ごとに色合いがまるで異なります。恋の切なさ、災害で生き残った者の罪悪感、人の業が呼び寄せる恐怖。その振り幅の広さが、ページをめくるたびに新鮮な感情を呼び覚ましてくれます。
とりわけ表題作「泣き童子」の恐ろしさは格別です。言葉を発さない幼子が、ある人物を見た瞬間に泣き叫ぶ。その理由が明かされたとき、背筋を這う冷たさは怪異そのものではなく、人の心の奥底に潜む業から生まれていることに気づかされます。
一方で「くりから御殿」のように、喪失の痛みをそっと包み込む物語もあり、怖さだけでは終わらない余韻がこのシリーズの真骨頂です。怪談を「聞いて聞き捨て」るはずが、読み終えた心にはいつまでも物語の温度が残り続ける、そんな一冊です。
④『三鬼 三島屋変調百物語四之続』(2016年)
あらすじ
江戸は神田の袋物屋・三島屋。心に深い傷を負った若き娘おちかは、奥座敷「黒白の間」にて一度にひとりの語り手を招き入れ、「聞いて聞き捨て、語って語り捨て」を決まり事とする変わり百物語の聞き手をつとめている。
亡き者の面影がさまよう不思議な旅籠、人に取り憑いた食いしん坊の神様、そして閉ざされた山村に潜む「鬼」の正体。四つの怪異譚を携えた語り手たちが、今日もまた黒白の間を訪れる。
おすすめポイント
四つの怪異譚はそれぞれまったく異なる手触りでありながら、「人は語ることで救われる」という一本の芯が物語全体を静かに貫いています。恐ろしさのすぐ隣にそっと差し込まれる温もりが、ページをめくるたびに読む者の心をじわりと揺さぶります。
特に表題作「三鬼」が突きつけてくるのは、貧しさが人の心にどんな「鬼」を棲まわせるのかという問いです。閉ざされた山村の不穏な空気、真実を語ろうとしない村人たち。謎が解き明かされたとき、恐怖は静かに深い哀しみへと姿を変えます。
一方、「食客ひだる神」の愛嬌あふれる温かさは本作ならではの読み心地です。シリーズを追うごとに少しずつ前を向いていくおちかの成長も見逃せません。怖さも切なさも微笑ましさも、一冊でまるごと味わえる。そんな贅沢な読書体験がここにあります。
⑤『あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続』(2018年)
あらすじ
江戸は神田の袋物屋・三島屋。主人の伊兵衛は、心に深い傷を負った姪のおちかを癒やすため、客を一人ずつ招いて不思議な話を聞く「変わり百物語」を始めた。語って語り捨て、聞いて聞き捨て、それが三島屋の決め事。
願いと引き換えに命を奪う神、死者を起こす声を持つ女、人に災いをもたらす面…。五つの怪異譚が語られるなか、おちか自身の運命もまた、静かに動き始めて。
おすすめポイント
五編それぞれの怪談が、まるで別の色をした宝石のように異なる輝きを放っています。家に招き入れた「行き逢い神」が一家を蝕んでいく「開けずの間」の底冷えするような恐怖と、死者を呼び起こす「もんも声」を持つ女性の半生を描く「だんまり姫」の切なくも温かい余韻。この振れ幅の大きさこそ、宮部みゆきという作家の懐の深さにほかなりません。
怪異を語っているはずなのに、浮かび上がるのは人間の弱さや愚かさ、そしてそれでも誰かを想わずにいられない情の深さです。語り手一人ひとりに確かな人生の重みがあるからこそ、百物語は単なる怖い話の寄せ集めでは終わらない。読み手の心にじわりと染みる「人間の物語」として響いてきます。
そして本作は、シリーズ第一期の完結編でもあります。おちかが積み重ねてきた時間が、最後の数ページで静かに、しかし力強く結実する瞬間は、ここまで読み続けた読者への最上の贈り物です。怪談の余韻と、青春の決着が同時に胸に押し寄せる。そんな贅沢な読書体験を、ぜひ味わってみてください。
⑥『黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続』(2019年)
あらすじ
江戸は神田の袋物屋・三島屋で続く「変わり百物語」。先代の聞き手・おちかが嫁いだことで、甘い物好きの次男・富次郎が新たな聞き手として白黒の間に座ることになった。
ある日、三島屋に「黒武」の印が入った古着の半天が届けられる。その背には判じ物のような文字が縫い付けられていた。やがて現れた語り手の男は、白髪に大やけどの痕、指先まで欠けた異様な姿。彼が語り始めたのは、神隠しによって迷い込んだ異形の屋敷についての話だった…。
おすすめポイント
聞き手の交代が、シリーズに鮮やかな風を吹き込んでいます。おちかの凛とした聞きぶりとは対照的に、富次郎は怖がりで頼りない。けれど語り手にまっすぐ寄り添おうとする不器用な誠実さが、怪談の恐ろしさのなかにやわらかな光を差し込ませます。
表題作「黒武御神火御殿」は、本書の半分以上を占める圧巻の長編です。一枚の半天から始まる謎が、禁制の信仰、神隠し、脱出不能の屋敷へと膨れ上がっていく構成は、さながら江戸を舞台にしたホラーゲームのよう。先の読めない展開に、ページをめくる手がどうしても止まりません。
それでも本書が深く胸に残るのは、恐怖の奥に描かれる人の弱さと温もりです。「語って語り捨て、聞いて聞き捨て」。その約束のもとで語り手たちが降ろす重荷を、新米の富次郎が懸命に受け止めようとする姿に、静かに、しかし確かに心を揺さぶられる一冊です。
⑦『魂手形 三島屋変調百物語七之続』(2021年)
あらすじ
江戸は神田の袋物屋・三島屋では、風変わりな百物語が続けられている。語り手一人に聞き手も一人。主人の次男・富次郎のもとに、今回訪れたのは三人。
国元の不思議な〈火消し〉を語る美丈夫の武士、母の壮絶な半生を明かす団子屋の娘、そして木賃宿で出会った奇妙な客について語る鯔背な老人。三つの怪異譚が、百物語の闇へと静かに溶けていく…。
おすすめポイント
三つの怪談それぞれに「怖さの質」がまるで異なるところに、宮部みゆきという作家の底力を感じます。切なさ、理不尽さ、おぞましさ。一話ごとに感情の色が鮮やかに変わり、ページをめくる手が止まりません。どの話も約百ページと読みやすいのに、余韻の深さは長編に匹敵します。
とりわけ胸に迫るのは、人間の「一途さ」が怪異を生むという構図です。愛も恨みも、突き詰めれば誰かへの強い想い。その想いがこの世の理を超えたとき、怪談は単なる恐怖譚ではなく、人の業を映す鏡になります。恐ろしいのに、どこか美しい。その矛盾こそが本書の核心です。
そして聞き手・富次郎の存在が、物語に柔らかな体温を与えています。語り手の痛みに寄り添い、密かに涙を流す彼がいるからこそ、読者もまた安心して「百物語の闇」に身を委ねることができます。怪談を愛するすべての方に届けたい作品です。
⑧『よって件のごとし 三島屋変調百物語八之続』(2022年)
あらすじ
江戸は神田の袋物屋・三島屋では、風変わりな百物語が行われている。語り手一人に聞き手も一人、話はけっして外には漏らさない。聞き手を務める小旦那の富次郎は、従妹おちかのお産に備え、百物語をしばし休むことに決めた。
休止前最後の語り手として現れたのは、不可思議な様子の夫婦。彼らが語り始めたのは、かつて村を丸ごと食い尽くした〈ひとでなし〉という化け物にまつわる、壮絶な記憶だった…。
おすすめポイント
シリーズ八作目にして、宮部みゆきの「怪談」がまた新たな領域に踏み込みました。賽子の神が集う異界、水底に潜む執念、そして江戸の地に現れたゾンビ。三編それぞれが異なる恐怖の色を纏いながら、「理不尽な厄災に翻弄される人々」という通奏低音で深く結ばれています。
表題作「よって件のごとし」では、親しい人が次々と〈ひとでなし〉に変わっていく絶望が、容赦なく描かれます。恐ろしいのは化け物そのものではなく、「逃げるために何を捨てるか」という決断を、登場人物たちが繰り返し迫られる点です。
それでも物語が陰鬱に沈みきらないのは、語り手たちの声を受け止める富次郎の存在があるからでしょう。語って語り捨て、聞いて聞き捨て。この百物語の作法が、読者の胸にもそっと余韻を残してくれる一冊です。
⑨『青瓜不動 三島屋変調百物語九之続』(2023年)
あらすじ
江戸・神田の袋物屋〈三島屋〉では、「語って語り捨て、聞いて聞き捨て」の風変わりな百物語が続いている。二代目聞き手の富次郎が「黒白の間」を守る中、初代聞き手おちかの出産が迫り、店は大わらわ。
そんな折、土の匂いをまとった女が「うりんぼ様」と呼ばれる不思議な不動明王像を携えて三島屋をおとずれる。彼女が語り始めたのは、行き場を失った女たちの物語だった…。
おすすめポイント
四つの怪談はそれぞれ味わいがまったく異なりますが、どの物語にも共通するのは「声なき者の声を聞く」という姿勢です。行き場のない女たち、虐げられた民、捨てられた子どもたち。江戸の片隅で忘れ去られた人々の痛みが、怪異という器に注がれて静かに輝きます。
特に印象深いのは、怪異そのものよりも、その奥に宿る人の情の深さでしょう。土から生まれた仏像も、少女の執念が生んだ人形も、すべて誰かを守りたいという祈りから生まれています。恐ろしさと温かさが同居する宮部みゆきならではの筆致に、何度も胸が詰まります。
シリーズ九作目にして、聞き手・富次郎の内面にも変化の兆しが見えます。絵師への夢と聞き手としての役割のあいだで揺れる彼の姿は、物語を聞く私たちの心にも静かに問いを投げかけてきます。人情と怪異が溶け合う百物語の世界に、いつまでも浸っていたくなる作品です。
⑩『猫の刻参り 三島屋変調百物語拾之続』(2025年)
あらすじ
江戸は神田三島町の袋物屋・三島屋。次男坊の富次郎は「変わり百物語」の二代目聞き手として、訪れる客人の不思議な身の上話に耳を傾けている。
黒白の間に持ち込まれるのは、飼い主の恨みを晴らす化け猫、村を守るために命を懸ける河童、山奥の不思議な屋敷に迷い込んだ母子と山姥の物語。一方、三島屋の跡取りである兄・伊一郎の縁談が思わぬ方向へ転がり始め、穏やかだった日常に暗い影が忍び寄る…。
おすすめポイント
化け猫、河童、山姥。三つの怪奇譚はいずれも「人外の者」と人間の絆を描きながら、その裏側で人の業の深さを容赦なく突きつけてきます。とりわけ第三話「百本包丁」では、異界の屋敷で暮らす母子の奮闘と山姥の正体が明かされる瞬間に、恐怖と慈愛が同時に押し寄せてくる圧巻の読み心地を味わえます。
注目していただきたいのは、怪談の合間に描かれる三島屋の「現実」のほうです。兄・伊一郎の恋がもたらす波紋は怪異よりもなお生々しく、人の心の移ろいやすさと、それでも誰かを守り抜こうとする覚悟の重さを鮮烈に突きつけてきます。百物語の「聞き手」が自らの物語に巻き込まれていく構図が、シリーズ全体に新たな緊張感を与えています。
最終章で富次郎が下すある決断は、読者の胸を深く抉るでしょう。十巻の積み重ねがあるからこそ響く、静かで壮絶な幕引きです。「物語を読む幸福」をこれほど全身で味わえる一冊は、そう多くありません。
まとめ
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この記事を通して、少しでもあなたの読書生活が有意義なものになったら幸いです。
それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ
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