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『沈黙のパレード』東野圭吾【あらすじ/感想】この鉄壁のアリバイを崩せるか?

『沈黙のパレード』東野圭吾【あらすじ/感想】この鉄壁のアリバイを崩せるか?

こんにちは! 迷推理になりがちなネイネイです。

今回は、東野圭吾さんのガリレオシリーズ第9作目の『沈黙のパレード』を読みましたので、あらすじや感想・レビューをご紹介します。

あなたもこの渾身のトリックと鉄壁のアリバイを見破ってみてはいかがでしょうか。

 

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『沈黙のパレード』東野圭吾【あらすじ&概要】

あらすじ

商店街にある定食屋の看板娘の佐織が行方不明になり、数年後に遺体となって発見された。容疑者である蓮沼は、草薙と因縁があり、かつて、少女殺害事件で無罪となった男だった。だが、今回も証拠不十分で釈放され、町に不穏な空気が漂う。

町をあげての秋祭りのパレード当日に遺体が発見される。復讐劇はいかに成し遂げられたのか、湯川が事件解決に乗りだすのだが…。

おすすめポイント

解けそうで解けないトリック、崩すことのできない鉄壁のアリバイが真実にたどりつくのを妨げる。

次々に明かされる事実や目まぐるしく展開するストーリーにワクワクが止まらない。謎解きだけでなく、人の温かみを感じれる作品。

黙り込む男

タイトルにも入ってる「沈黙」が本書の一つのテーマになっています。

状況証拠がつみかさなっても、犯行を決定づける物的証拠がなければ立証はできない。 そこで容疑者にあつめて証拠をつきつめ、取り調べをして「自白」してもらう。

もしそこで容疑者が黙っていたならどうなるか。そんな自供が得られないという状況が、本作の面白さにつながっています。

ネイネイ

冤罪にもつながることのある「自白」をまったく別の視点で描いたのが本作なんですね。

キクノ・ストーリー・パレード

菊野市で秋に開催されるお祭り。 それが「キクノ・ストーリー・パレード」。

おとぎ話や童話の登場人物に扮してスタートからゴール地点までを練り歩き、その出来栄えで順位を競う。 このパレードを見物していた湯川が「勉強になる」といった場面がある。

「物語の名場面を再現するといっても、どこを名場面と捉えるかは人それぞれだ。さっき、同じアニメを題材にしたチームが二つ続いたが、全く別の場面を再現していた。じつに面白い」

(P123より)

同じ作品でも人が違えば捉え方もことなるといっています。 ふとこれを見てTwitterの#読了 ツイートを連想してしまったのは自分だけでしょうか……。

読み手が変われば、感想の内容も、良いと思う場面も当然のことながら変化します。 そんな推理以外での何気ない湯川の一言もこの作品の楽しみ方になっているように思えます。

ルーシー

なんだか研究者の目線は一味ちがうね。

溢血点

死亡した人物には「溢血点」があり窒息した可能性が高いといっています。

 何らかの原因で呼吸が困難になると、横隔膜の動きに心臓が影響を受けて血液の循環が滞る。 すると静脈中の血液が行き場を失い、ついには毛細血管を破って外に出る。 それが溢血であり、斑点状に見える状態のものを溢血点と呼ぶ。

(P151より)

今作の大きな謎はこの状態をどのようなトリックを駆使しておこなったのか。という所につきます。 それが可能だった人物は誰なのか。

ただし、疑わしき人物には鉄壁のアリバイが存在している。これらを解き明かすのが最大の楽しみになっています。

クライド

鉄壁のアリバイというのは、なんかありそうだね。

客観性

捜査のアドバイスをした湯川に、もっと効率的に捜査できるアドバイスがあったのでは? っと問う場面がある。 それに湯川は学生の科学実験をもとに客観性が重要だといっている。

大抵の場合、実験の結果がどうなるのかは学生たちもわかっている。 だから彼等は、好ましい結果が出るように作業を行う。 時には計測器の目盛りを多めに読んだり、少なめに読んだりしながらね。 それで狙いに近い結果が得られたら満足してしまい、自分たちが根本的なミスを犯していたことに気づかなかったりする。 正しく実験が行われたかどうかを判断するには、どんな結果が出るかなんて、知らないほうがいいんだ。

(P270より)

研究にたずさわる者として気おつけるべきことに「先入観」がある。 先入観をもって行動してしまうと結果がゆがめられるばかりか、そのミスにも気がつかないと説明している。

本作の謎解きも、この客観性をもって考えを巡らせないといけないんですね。

モンブラン

どうしても自身の知識や経験から、物事を判断しがちじゃな。

感想・レビュー

人の心を平然と踏みにじる者が優越感に浸り、人情味あふれた人々が不条理な思いをする。 どこかそれが今の世を語っているようでもある。

法によって裁くことのできない理不尽さ。 愛しき人を亡くした人たちが無念を晴らそうとする想い。 善と悪だけではあらわせられない切なさと、下町ただよう人情味が「人を想いやる気持ち」の大切さを気づかせてくれる。

読後感も切ないながらも、どこか温かみを感じることのできる作品になっている。

ネイネイ

過去のガリレオシリーズについて語っている場面も印象的でしたね。

まとめ

理不尽なことの多い世の中だが、人のつながりや温かみを感じることのできる物語。

今作は謎解き以外にも、ヒューマンドラマを感じさせる要素もありますので、あなたもそれらを楽しんでみてはどうでしょうか。

本作品は6年ぶりのシリーズ新作ですが、なんだか映像化を期待してしまうのは自分だけでしょうか。

それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ

 

 

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この記事を書いた人

30代の元開発エンジニア。本の書評多め(ミステリ、ファンタジー、気になった本を読む雑食系)。現在は、自由な働き方で生活していけるように、日々の『喜び・怒り・悲しみ・楽しみ』を書きつづっています。

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