こんにちは! 小説を読むのがますます楽しくなったネイネイです。
今回は、「みなさん、さようなら」で第1回パピルス新人賞を受賞し、濱田岳さん主演で映画化もされた、久保寺健彦さんの『青少年のための小説入門』を読みましたので、あらすじや感想・レビューをご紹介します。
小説を普段よく読んでいる人も、そうでない人も、この本を読めば小説の面白さ、楽しさ、奥深さに気づける作品です。
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『青少年のための小説入門』久保寺健彦【あらすじ&概要】
あらすじ
「インチキじゃねえ小説、書こうぜ」幼少時より自由に読み書きができないまま成人した田口登と中学進学以来いじめられるようになってしまった入江一真が、コンビを組んで小説家を目指す。
夏目漱石、サリンジャー、ドストエフスキー、筒井康隆、柴田翔など、ふたりは朗読を通して偉大なる作品に挑み、乗り越えようと奮闘するが…。
物語の、言葉の、人間の。熱と力を信じる者に贈る青春長編小説。
(「BOOK」データベースより)
おすすめポイント
小説の面白いポイントを丁寧に解説してくれる。表現の幅、登場人物の設定、物語のリズム、作品の締めくくり方、それらの無限の可能性をみせられて思わずニンマリしてしまう。
それと同時に作家の苦悩、葛藤も描かれ、小説の奥深さを知ることができる内容になっている。
ディスレクシア
ヤンキーの田口登は、「ディスレクシア」という障害をもっている。この障害は、学習障害の一種とされ知的能力や一般的な理解能力に問題はないが、文字の読み書きがいちじるしく困難。
そのため、田口登が物語の構想をねって、入江一真がそれにそって文章におこす、というスタイルで物語が進行します。
このキャラクター設定がこの物語を面白くしている一つの要素になってます。
面白いコンビ設定ですよね。
再現クイズ
入江一真がうまく物語を書けずにいたとき、文章力アップの練習法に「再現クイズ」なるものを実施した。
内容としては、有名作家の作品の一部を思い出しながら、自分の言葉で表現するというものです。これにより、文章のリズムや登場人物の行動に違和感がないかを確認している。
(こ、これやるとメッチャ頭使いますね。そして全然うまく書けない……。)
文章を書くことを仕事にしているなら、この練習法で文章力を磨いてみてもイイね。
つまらない小説
小説の研究をしていく中で、つまらない小説の共通点を下記の4つだとしています。
- ストーリーが破綻している。
- あざとい。
- キャラクターに魅力がない。
- 新鮮味がない。
(P134より)
この説明が本書にのせられているのですが、おもわず「それ、わかる~」って感じてしまいました。
本書ではこういった、おもしろい小説とつまらない小説の解説が実例も交えながら、ていねいに書かれているので「へ~、そういう表現もあるんだ」と新しい発見をしながら楽しむことができます。
こうして、小説の良し悪しを知るのも面白いな。
作家の生き残り
編集者にいわれた一言にこのようなものがあります。
「これからですよ。編集者のあいだで、作家の生き残りはガンの生存率と同じとよく言われます。ざっと五年で五パーセント。二〇〇人の新人がデビューして、一〇人しか生き残れない計算になります」
(P215より)
厳しい世界だとは思っていましたが、これほどとは……。
本が売れないといわれている現代に、こういった小説の面白さを伝える作品が売れるて、出版業界が盛り上がることをせつに願うばかりですね。
5%って…… 現実世界のきびしさに胸が苦しくなりますね。
感想・レビュー
田口登と入江一真が小説の研究をする過程で、著名な作家の作品の一部をもちいて小説の面白さを解説しつくした、まさに小説の入門編。
また、小説を書くときに気をつけているポイントが描かれ、小説のむずかしさが垣間見え、こちらも息苦しくなってしまう。
それらを知ることで今後の読書において、そのポイントを思い出しながら作品を楽しむことができる物語になっている。
最後の絶対のルールは印象的でしたね~(きっと、著者の想いがそこに込められているんですね)
まとめ
ヤンキーといじめられっこの凸凹コンビが作家を目指すなかで、小説を読む楽しさを教えてくれる作品。
あなたもこの作品をとおして、小説の楽しさと面白さに目覚めてみてはどうでしょうか。
それでは、まったです。 (‘◇’)ゞ
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